期待のMNO新規参入がやっと。
去年秋に開始予定を大幅に繰り下げてやっとのことでサービス開始と相成った楽天MNO。
私は生活のかなりの部分を楽天経済圏に置いているので、当然携帯キャリアとしても期待を寄せており、昨年夏ごろには既存のauの契約に加えて楽天モバイルMVNOの利用を開始していました。またその際に、しっかり楽天独自回線に対応したAQUOS zero(SH-M10)を選ぶ念の入れようでした。
MVNOとは、仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)の略称。従来の日本で言う3キャリア(ドコモ・au ・Softbank)を移動体通信事業者(Mobile Network Operator)と呼び、物理的にはそれらの回線を利用し、仮想的に通信サービスを提供する事業者のこと。
楽天モバイルは主にDocomoとauの回線を利用したMVNOサービスとしてスタートしました。
以下の文章では、旧楽天モバイルとRakuten UN-LIMITの区別をわかりやすくするため、それぞれ楽天MVNO・楽天MNOと表現します。
楽天MNOはeSIM対応
ただし、先行申込開始直後に勇んで申し込んだぬぬは、その時点ではまだ楽天MVNOからの切り替えは受付の中になかったため、新規番号発行として申し込みました。
結果何が起こるか。
そう、私の手元には3枚のSIMが揃う事態となりました。スマホは2台なのにです。3枚SIMを持ち歩いて場面に合わせて差し替えて使い回すことも一瞬考えましたが、明らかに現実的とは言い難いでしょう。よって、春にauからUQモバイルに契約を切り替える予定だったiPhone 6sの 買い換え先をiPhoneXRにすることによって、eSIMによるデュアルSIM環境を形成することを決めました。(予定ではiPhoneは8にするつもりだった)
よって現状私のスマホ状況は、
iPhone XR
+UQモバイル(物理SIM)
+楽天MNO(eSIM)
AQUOS zero
+楽天MVNO(当然物理SIM)
という環境に落ち着きました。物理SIM部分はどちらを使うこともできます。また、現状各種契約に際して登録している電話番号は楽天MVNOのものにしているため、安定性という意味で比較的信用できるiPhoneに楽天MVNOを差し替えることを検討もしています。楽天MNOがある程度回線として信用できる場合はなおさらです。(楽天MVNOは基本的に遅い)
その場合には、楽天モバイルをMVNO・MNO両方iPhoneに突っ込んで使うめっちゃ楽天好きみたいな人が生まれますが。
いや楽天好きは否定せんけど。
現状は基本的にローミングのみの利用
ご存知の方もご存知でない方もいるでしょうが、私はこの3月に大学を卒業し、4月に就職の予定で、東京に引っ越す予定でしたが、このコロナ騒ぎでいつ引っ越したもんかという状況に陥り、現状まだ実家(栃木)に引きこもって在宅研修を受ける日々を送っています。
流石に引きこもりがひどくって最近スクワット始めました。
栃木県はかけらも楽天回線エリアにかすってないため、今の所インターネット接続はパートナーエリアのローミング、つまりau回線のみの利用になっています。ごくたまに東京の家の整備に行く際にのみ、自社回線を利用する、楽天モバイルを名乗って憚りない状態となります。
iPhone(楽天保証外)での動作について
結論から言わせてもらえば、Rakuten UN-LIMITはiPhone XRにてインターネット利用に関して問題なく動作します。
ただし、いくつかの点では注意点があるのも確かです。以下では動作に必要な設定に加え、その問題点にも触れます。
iPhoneにおける楽天UN-LIMIT利用に関する設定項目
①SIMカードをiPhoneにぶちこむ
楽天MNOのiPhoneでの利用に際して、eSIMと物理SIMでは特に変わる部分はほとんどありません。異なるのは物理的にnanoSIMを刺すか、eSIMのQRコードを読み取るかくらいです。
それぞれの方法でSIMをぶちこんだら次のステップです。
②APNの設定をする
MVNOを使った経験があれば少しは馴染みがあると思われる、APN設定です。楽天MNO対応端末であれば、基本的に自動で設定されるようですが、iPhoneは御存知の通り楽天側の認めた対応端末ではないため、自分で設定が必要となります。
とはいっても、入力する箇所は2箇所のみ。設定アプリ→モバイルデータ通信(→eSIMの場合は「主回線」「副回線」などの中から楽天SIMに当たるものをを選択)→モバイル通信ネットワークと進み、
赤い下線が入っている部分に「rakuten.jp」と入力するだけです。
③スイッチを1つ2つ触る
②の画面から1階層戻った画面から、「音声通話とデータ」という項目に進み、「LTE、VoLTEオン」にチェックを入れたら設定は完了です。
再起動も行うとすっきり使えるようになるかと思います。(多分しなくてもいい)
ぶっちゃけ知ってれば難しいことは何一つない。
けど入力さえも手間を惜しむなら、このサイトからプロファイルを作ってインストールするのもおすすめ。↓
楽天MNOをiPhoneで使う際の注意点
前述のように、保証動作環境ではないため、いくつかの注意点が発生します。楽天がこれから日本で携帯キャリアとしてやっていくつもりであるならば、iPhone対応は避けて通れる道ではないため、そのうち解消される可能性が高いですが、現状では以下の問題点が残っています。
①専用アプリが使えない
楽天MNOの1つである「通話無制限かけ放題」は、楽天MNOが取り入れたクラウド処理によるIP電話に依る通話のみ対象です。つまり、専用の通話・SMSアプリである「楽天Link」が必要になります。
また、楽天MNOの契約情報・通信量などの確認・変更・問い合わせのための「my 楽天モバイル アプリ 」も存在します。(ただしこれに関してはウェブサイトと使い勝手も含めほぼ変わらないためあまり問題はないです)
しかし、iPhoneはそもそも動作端末ではないため、AppStoreには「楽天Link」も「my 楽天モバイル」も存在しません。
②SMSに関する制限
楽天MNOをiPhoneで利用し、更に パートナー回線(auローミング)での接続の場合 、SMS(Cメール)が届かないことが報告されており、現に私の環境でもその現象は確認できています。(Androidではパートナー回線でもSMSの受信が問題なく可能)
SMSが届かないと、メインの通信キャリアとして使う場合は各種サービスでの二段階認証での活用などが厳しくなります。また、更にこの問題が次の③の問題点を引き起こす可能性があります。
③300万人無料キャンペーンの条件を満たせない可能性がある
楽天MNOが話題を呼んだ理由の1つとなった、300万人を上限として初年度の利用料金を完全無料とするキャンペーンですが、多少の条件があります。その中の1つが、「楽天Link」アプリのアクティベーションです。
この楽天Linkアプリはまず第一に、Androidバージョンしか用意されていません。そのため、まずアプリを動作させるためのAndroid端末が必要になります。
最悪、キャンペーンのための認証であれば、知人・家族などの他の人にAndroid端末の人がいればそれに一度インストール・認証をさせてもらう、またPC上で動作するAndroidのエミュレータを用いるなど、手もあるためこの点に関してはどうにかなるかなとも思います。
更に、このアクティベーションの仕組みが、楽天MNO契約の電話番号を用いたSMS認証です。他のサービスでも多く用いられる、SMSで数桁の番号が送信され、その番号をアプリで入力する、といったものです。つまり、楽天MNOの動作端末がSMSを受け取れる状況である必要があります。
つまり、SMSを受け取れない②の環境にある場合、このSMS認証を行うことが厳しくなります。
まとめると、iPhoneで楽天MNOを運用する場合、キャンペーンの条件を達成するためには、以下のパターンのどれかに当てはまる必要があります。
① 楽天自社回線エリアにいること
+Android端末を自身で所持・もしくは人に一度借りられる状況にあること・もしくはエミュレータによりAndroidを用意できること
(iPhoneでSMS受信→AndroidにインストールしたLinkアプリを認証)
② 楽天MNOが動作するAndroid(エミュレータを除く)端末を用意できる。
(Androidに楽天MNOを入れ一度そちらでSMSを受け取りLinkアプリを認証する)
※パートナーエリアでも可能
ぬぬは②にあてはまり、AQUOSくんで認証後、iPhoneにSIMを移行しました。
サブ回線としての利用はかなりアリ。
サービス開始直後のサービス変更により、パートナーエリアの利用上限は月5GB、またその上限を使い切ったあとも最低1Mbpsの速度下限が設けられることになりました。この1Mbps下限、楽天MVNOの利用者には馴染み深いサービスなのですが、地味に大きいです。1Mbpsという速度は「使い物にならなくはない最低限の速度」という認識が良いかと思います。
また、楽天MVNOはもともとが遅かったですが、現状楽天MNOはパートナーエリアに関しても悪くない速度を出しています。(速度を売りに唱えるUQモバイルと大差ない)この通信環境をauのカバーエリアでは使え、今後増える(はずの)楽天自社回線エリアに関しては通信量無制限で使えるのであれば、個人的にはキャンペーンを抜きにした「2980円/月」という値段設定でも十分「アリ」だと思います。まして今は無料ですし、最低利用期間も存在しないため、無料の1年間の間だけ使うなら特に損をするということは有りません。
現状の不安定さ(回線はともかくサービス・サポート側がほとんど働けてない様子に見える)も含めて考えるなら、「なくなっても大きくは困らないサブ回線」としての活用がベターではないかと考えます。最近でたiPhoneSE2もeSIMに対応しているため、今から揃えるならiPhoneSE2にどこかの低容量MVNOで主回線・楽天MNO副回線でデータ容量を補う、といった形がコスパがいいのではないかと。
楽天MNO単体で考えて今後どうなるかはともかくとしても、恐らく楽天MNOが成長することは携帯キャリア市場に競争を促し、他3キャリアのプラン設定などにも影響を及ぼします。それを考えるなら、少し楽天に頑張ってもらうことは私達利用者側としても悪くないのでは、とも考えられるのではないでしょうか。
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