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「私的」なろう小説のだめな要因

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実はただの小説オタク

私はアニメも漫画もゲームも見るし読むしさわったりしますが、結局のところ「小説」が一番好きです。つまりサブカルチャー的な分け方ではライトノベルと呼ばれるジャンルが得意な守備範囲になります。(とはいっても大量の作品をよみあさっているというわけでもないですが)

なので当然、無料で読めて掘り出し物もたまにある「小説家になろう」の作品もちょこちょこと読んでいます。

Spreadsheetで読んだ作品を管理してたりもします。(ここ数ヶ月更新してないけど。

まあ普段はこうしてなろうの適当な作品で「物語欲」を発散していますが、たまにふと「たりない」と感じることがあります。そしてそれは往々にして、「プロの作品」を読むことによって充足されます。物量だったりが読み足りないという意味ではなく、なろう小説では得られない、プロの小説(ここではなろう出身ではないライトノベルをさしています)で得られる「何か」があると私は確かに感じているのです。(なろうでも得られる作品もないわけではありませんが、「傾向として」捉えていただければ幸いです。)

この記事では、その根底にある「何か」を、考えていきます。

この記事では失礼ながら、以下のなろう小説を1作品(書籍化・コミカライズしている作品です)と、プロの小説を1作品、引き合いに出して比較しています。

この二作品なのはたまたま私が同時期(最近)読んでいて、少し対照的かもしれないと感じたためです。(作品ジャンル等はほぼ異なりますが、今回捉える点については丁度真逆に位置するのかなと感じました。)また、両作品とも私は現状、途中までしか読んでいませんので、そういう意味でも平等かなとも思いました。

「小説のおもしろさ」とはどこからくるのか

「文章」と「物語」

私は常々、小説というものには「文章」と「物語」の二側面があると捉えています。次元を上げて言い換えるなら「表現」と「内容」、逆に具体化するなら言い換えれば「作文」と「シナリオ」となるのでしょうか。演劇で捉えるなら「演技」と「脚本」です。(作文と言うと行為としての意味合いが少し強いかもしれませんが。)つまり、「作品をどう描く(表現する)のか」と、「物語の世界の中でどういった出来事を起こすのか」という二側面です。

「文章」が優れていて、でも描いている「物語」は微妙な作品もあれば、逆もありえます。その優劣は完全に分離して捉えることが可能で、当然両方が優れている方が総合的に「おもしろい」作品たり得ると考えられます。けれど当然、作品により「文章の優美さが強み」「物語の作り込みが強み」「主人公が魅力的」というように、それぞれに偏った「味」が作品それぞれの「おもしろさ」につながるのではないかと思います。

つまりその2つとも、これが正解、といった形があるわけでも当然ありません。(というか、そんな偉そうなことを言えるほど私は文章にも物語にも精通しているとは全く思っていません。)けれど、ここを押さえていなければこうなる、といった傾向くらいならば、分かりやすい作品を意識して読んでいればある程度誰しもつかめるかなとも思います。

また2つの要素をさらに、
「文章」ならば、独特の表現であったり雰囲気、物語の世界観に合う表現、登場人物の主観視点なのか、客観視点なのか、など。
「物語」ならば、どういう世界観を描くのか、どういう登場人物がでてくるのか、恋愛を描くのか、冒険を描くのか、など。
と細かく分けていくことができます。

今回の記事で捉えるのはどちらかというと「物語」としての側面です。なので文章の優劣に関しては特に触れないようにしていくつもりですが、一言添えておくならば。
なろう小説は個人の投稿作品なので当然担当編集などいないですし校閲等は通ってないためこのブログ記事と同様、誤字があったり、日本語が盛大に、それはもうボロッボロにおかしかったりもします。ただし今回見ていく「無職転生」はそんな中、私が読んだ範囲では基本的に日本語に違和感を覚える部分は少なかったです。

ベースカラーをグレーにして読みやすくしているのは素直に有能

「物語」のおもしろさ

物語のおもしろさとはどこにあるのか、言い換えれば、その物語の魅力、その物語を読み続けたいと読者に思わせる要因でしょう。当然作品によって様々ですが、ある程度の分類は出来ると思います。

「人」による魅力

物語は大概、一人以上の登場人物がいて、その中の特定の人物を中心にして展開していき、その人物が「主人公」と呼ばれることになります。そしてその主人公が読者にとって「魅力的」であるということは、多くの場合そのまま作品の魅力にもなり得ます。

「読者にとって魅力的」とは、どういうことか。人物として優れている、という意味ではありません。(当然、単純に優れた人物であるという形もありえますが)主人公に対して読者が何らかの「感情を抱く」ことを誘えれば、それは主人公による作品の魅力たり得るでしょう。

また主人公のみ、という個人に対する魅力ではなく、仲の良い主人公を含めた二人の掛け合いといった、関係性そのものが魅力となることもあります。(むしろこの場合、その二人のどちらかが主人公というよりも、その二人をセットで捉える雰囲気のことも多い)この形はその性質上、様々な物がありえます。仮に一般的な関係性から外れていても、それが成立していると、読者に対して「なるほど」と思わせることができれば、それはその作品の確固とした魅力になります。

「世界」による魅力

物語は当然、登場人物が存在する舞台、世界を用意しなければ成り立ちません。その世界は描かれる物語に合わせて、
現実に沿った世界(非現実的・非科学的な事象は起こらない)、現実に沿いつつ単一もしくは複数の非現実を足したもの(「近未来にとある技術が発明された世界」や、「一般人には見えない裏世界では未だに忍者が云々・・・」といったもの)、まるっきり現実とは異なった世界(いわゆる異世界)
というように分類することができます。言うまでもないことですが、描きたい物語に合わせていればどのように構築したとしても問題はないですし、この分類のはだめになりがち、といったことも全くないと思います。

これら世界そのものによる魅力といえば、多くの場合「夢がある」ということになるでしょう。

現実に即した、つまり科学的には存在しうる世界観の場合、読者にとっては「あり得る可能性が高い」と感じられ、「世界のどこかにある物語」として夢見ることができます。加えて、例えば学校生活などが舞台の場合、自分の経験してきた過去も世界観を補完する知識となるため、読者の受け取る世界観の密度が高くなりやすいというのも現実的な世界観を描く利点と言えるかと思います。

「夢」という概念はおもしろいもので、逆に絶対にありえない世界であっても、それはそれで人は大きく憧れを感じることができます。現実世界を舞台にしつつ「魔法」などの非現実的な要素を取り入れた場合、どういう仕組や法則によってその要素の存在が解決されるのか、それがあったならどういう形に世界が落ち着くのか、など、「その世界独自の形のリアルさ」が読者には魅力として映ります。

さらに非現実に踏み込んで、そもそもこの世界を基として要素を足すのではなく、完全に異なる世界を構築して描く作品もあります。この場合も世界そのものの魅力として映るのは「世界独自のリアルさ」になりますが、こちらのほうが自由度が高く独自性の高い世界観をつくりあげることが可能です。しかしその分、世界観をかなり厳密に詰めなければその「リアルさ」が揺らぐため、完成度が高いか、残念な形になるかのどちらかが多いです。そのため、難易度という意味では他に比べると少し高いのかな、と感じます。

表現する「核」

そして今回なろう小説とプロの小説を比較して感じたのは「核」の存在、もしくは強さです。

小説だけでなく、アニメ・マンガやその他など表現作品全てに言えることですが、表現作品には元来、作者の何らかの伝えようとするメッセージ、テーマといった、「核」があり、作品の物語や文章・表現そのものはそのテーマを伝えるためのツールに過ぎません

ただし、テーマそのものが、そのツールに関しての物である場合も当然あります。「こんなキャラクター、かわいくない??」だったり、「こんな二人の恋愛応援したいでしょ」などと言った感じです。

「無職転生」にはなくて「弱キャラ」にはあるものがこの「核」なのではないかと考えています。正確には、どちらにも「核」に当たるものはありますが、それが「無職転生」のものは読者に伝えるべきメッセージとはいえないものなのではないかと感じました。

作品の詳細をそれぞれ語るとただでさえ無駄に長い記事がさらに読むのがアホらしくなるので割愛しますが、読めば読むほど、「無職転生」の主人公・世界の作りから伝わってくる「核」は、「こんな人間(主人公)でも許される世界があればいいのに」という独りよがりな妄想でした。

読者の読み方によって、主人公の立場になりきって読む形の場合なら、ある程度いい気分に浸れていいのかもしれませんが、多くの場合、、、と言い切ってしまうのは少し私も独りよがりになりますが、私を含む、主人公を客観的に捉えて何かしらの感情を抱こうとする読み方をする人にとっては正直、魅力を感じられない主人公が世界に甘やかされている様子をダラダラと描いているように受け取れるのではないでしょうか(私はそう受け取りました。)つまり、前述の「人」「世界」のどちらの観点でも、読者に

「なろう小説」と区切ってしまったのはすこしまとめ過ぎでしたが、程度の差はあれど、いわゆる「なろう小説」にはこの傾向があるなと過去に読んだ作品を振り返ってみても感じました。「物語」を単体で、「どうすれば過去作品と丸かぶりしないか」とだけ考えて試行を重ね、あみだくじのように分岐したのが現状のなろう小説群なのではないかと考えています。オンリーワンであることはたしかに大事かもしれませんが、そこに何も軸がないのであれば、それはただの

もちろん、なろう小説にもしっかりとした描きたいテーマが定まっている作品も少なくありません。しかし、「なろう小説って残念な作品が多いよね」といったジャンル単位での感想がでるのは、このような作品群の傾向によるものではないかと考えられます。

対してプロの作品の多くは(今回で言えば「弱キャラ」は)確固とした「核」となるテーマが存在し、人物や、その関係性、物語の流れなどが、その「核」を表現するという目的のために工夫され作り上げられていると感じました。また、それを通して感じられる構成の「巧さ」も、小説を読んだ際に感じる得たものとして働いている可能性が高いです。(これは総合的な技量としてのため、「文章」としての側面も含まれますが。

まとめ

この記事ではかなり、なろう小説を下げ、プロの小説を上げる形での意見を述べましたが、表現作品の優劣は見た人それぞれに依るというのがそもそもの私の信条です。事実として、「すごく良い作品なのはわかるんだけどどうにも私は好きじゃない・・・」といった作品も過去に出会ったことがあります。

なので、これはあくまでも私の感性においてはこういう理由で受け付けないというだけですし、まして1作品の評価でなろう小説を丸ごとだめだと言うつもりもありません。根底にあるテーマが微妙だっただけで、「無職転生」も、世界観の作り込みはある程度しっかりしていましたし、前に述べたように文章も日本語として問題はありませんでした(これはなろう小説ではそこそこ貴重な要素です。)

ただし、結論として私は私の感性でしか話せないため、おすすめとして挙げるのは、無料で「無職転生」を読むのではなく、お金をだして「弱キャラ友崎くん」を読む方になるかと思います。

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